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食べ続けたいもの、その伝えたいこと

食べ続けたいもの、その伝えたいこと

2018年6月13日

三島の小林農園は小林貢さんが平成15年に始めた。
そして今年の初夏にはこの小林農園の野菜は食べられなくなる。

支柱を作れなく地に這うトマトが最後かもしれない。

先日、小林貢さんが亡くなられた。

食道癌が4月に見つかりすぐの出来事だった。

小林家は江戸時代後期から代々続く生産者。小さいころから小林さんは農作業の手伝いをしていた。

20代前半、メロンなどの近代農業を仲間と始めたがうまくいかず農業を諦める。

会社員として働いていたが、農業に対する想いは忘れられなかった。

50歳の時に会社を辞め専業農家となる。

その当時は珍しかった農薬不使用栽培を始めた。周りの畑から農薬を使用しない栽培方法に対して非難の声がでた。
しかし自分の信念を貫いた。

しかし10年経つと、地域の高齢の生産者から頼られる存在になる。

そして耕作放棄地にならないようにと地主さんから畑を管理してほしいと、小林さんが耕す畑はどんどん増えていく。

「いっぱい野菜を作って、畑をなんとか使わなきゃ」と笑顔でいつも語っていた。
大変なことだと思うのにすごく楽しそうだった。
畑で笑顔でいる小林さんを見ると、なんだか僕らも自然体になれた。

誠実に土と向き合い地域と向き合う小林さんの野菜は、とても安定感のある美味しさ。

とてもきれいな畑、そしてとてもきれいな野菜。

小林さんは以前よく“循環”と言っていた とお葬式の時、親族が言われていた。

畑にはREFSのお店で出た野菜クズ、また富士宮の和田とうふ屋から出たおからを積極的に使い、肥料は鶏糞を使うが土の状態に合わせまったく肥料を入れない畑もある。

土の循環。
そして地域の循環。

日が出始めると農作業を始めていた小林さん。朝靄の畑で、芽を出したばかりの小さな野菜たちが一生懸命育とうするのを見て「なんとも美しくて農業をやって幸せです」と語られた。

小林貢さんの最後の野菜は人参Nなど、6月は静かにREFSのお店に並ぶ予定だ。
大川さんという若い農家さんが遺作を収穫してくれている。

今のREFSがあるのは小林農園の美味しい野菜のおかげである。

小林さんとは9年間、農業のやり方をいろいろ話した。

行政が提唱する六次産業化も小林さんは実践しようとされた。

でも僕らが出した答えは、生産者が全てをするのではなく役割分担をすること。

つくることは生産者、売ることは小売店。

そして、袋詰めなどの作業、洗う作業は福祉施設さんにお願いできたらいいねと。

もう小林さんの野菜を食べれなくなるのは寂しくて寂しくてしかたがない。

小林貢さんの作品は残していきたい!
と心から思っている。小林さんの大豆は引き継いで残していこうと話が通夜の時、生産者や奥様と話がでた。

同業者の八百屋さんとも、僕らがたくさん売ってたくさん作ってもらいましょうと話した。

僕は小林さんの大豆を日常使いしてもらいたいと思う、
豆腐、味噌、納豆などにして。

小林さんの想いは生き続けていく。

カテゴリ: 仕入奮闘記 23:09

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